雪国が生んだ、発酵の傑作
よね田
北陸の冬に欠かせない発酵食品
北陸の発酵文化は、雪に閉ざされる里山地域で食べ物を保存する術として、昔から欠かせないものでした。その文化の一つに、かぶら寿しがあります。かぶら寿しは蕪に魚を挟み込み、糀で発酵させた熟れ鮨です。北陸の厳しい寒さの中で糀に含まれる酵素が蕪と魚を熟成し、素材の味を引き出します。かぶら寿しは素材が命であり、よね田では、地元富山県南砺市で契約農家と栽培した歯切れの良い白蕪、刺身で食べても美味しい脂ののった鰤、コシヒカリを使用した米糀にこだわっています。これらの素材を伝承する発酵知識で織りなす三位一体の味が、よね田のかぶら寿しです。白蕪や鰤は冬季が旬の季節であり、糀の発酵には「寒さ」が必要なことから、「かぶら寿し」は北陸の冬の代名詞となっています。
加賀百万石が生み出した至極の逸品
北陸地方はその昔、加賀藩祖前田利家とその嫡子利長の功績により最大120万石の所領を抱えた加賀百万石と呼ばれる豊かな地域でした。九谷焼・加賀友禅・金箔など、文化的価値の高いものが多く、その食文化の一つとして「かぶら寿し」が好まれていたようです。お米をふんだんに使い、高級品の鰤を挟み込んだ芳醇な味覚は、お殿様を楽しませた高級料理だったと思われます。
糀の食文化
米糀には、発酵に必要な酵素が多数含まれています。この酵素が、お米から甘味を醸し出し、魚のタンパク質と脂質から旨味をつくり出します。かぶら寿しはこの発酵工程を自然の力を借りて、自然のままに行います。よね田のかぶら寿しが美味しいといわれる秘密はこの自然の力にあります。郷土料理を昔ながらの作り方でつくる、モノが溢れて便利な現代だからこそ、残したい食文化をあるべき製法・姿でつくり続けています。
こだわりの食材
かぶらは甘みが強く、歯切れの良い富山県南砺市産白蕪にこだわって使用しています。生育状況を自らの目で見ながら、契約農家と共に地元で毎年努力を積み重ねています。大雪が降ると、畑の雪をかき分けながら収穫しなければなりません。そのような農家の負担に応えられる最高のかぶら寿しを目指し、一蓮托生でつくっています。
鰤は脂ののった個体を吟味し、鮮度にもこだわっています。素早く丁寧に調理し、お刺身でも美味しく食べられる鰤の身を使います。米はコシヒカリ。美味しいお米が、麹菌の発酵力の源泉です。麹菌達が自然の力を発揮できるよう最高レベルのお米を使っています。
郷土料理にとどまらない「美食」の粋
そのような多くのこだわりが「かぶら寿し」を郷土料理の枠にとどめず、日本の「美食」たらしめております。製造から出荷までおよそ二週間、種まきから考えると数ヶ月にもわたるまさにスローフード。それが「かぶら寿し」です。 白蕪、鰤の旨味を最大限に引き出す糀と発酵の知恵、北陸で親しまれる食文化を是非お楽しみください。
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